金木犀:香りが運ぶもの

金木犀

このところ、いつもの道を歩いていると、どこからともなく金木犀の香りが漂ってくる。
本格的な秋の到来を告げるその香りの中に、かすかに胸を締め付ける切なさを含んでいる様に感じる。
中学校の校庭に咲いていた金木犀の香りとシンクロして、その頃に感じていた気持ちが、ふと蘇るのだ。
そのように香りは、感情や記憶を鮮明に蘇らせることがある。
それは、脳の中で嗅覚を知覚する部分と感情や記憶を司る部分とが隣接して居る事に由来している。
つまり、香りが記憶や感情の回路とダイレクトに繋がっているということらしい。

また、何かの香りに惹き付けられながらも、同時にどこか切ない感情が立ち上るのは、
香りというものは留めておく事が出来ずに、僅かな時間の経過とともに
空中へと儚く消えていってしまうからではないかと思う。
そして、私たちの存在も、香りの様に留める事が出来ない時間の中に存在しているからではないか?

留まる事のない、私たちの存在そのものが、一回性の持つアウラの輝きに満ち溢れている。
香りが感情や記憶の回路と密接に結びついている背後において、
その様なことを、秘かに、そっと、私たちに伝えているような気がしてならない。

comment

ふぇりち~たさん
返事が遅くなってしまいました。
いつも、素敵なコメンをありがとうございます。
香りが感情に働きかける力ってなんだか神秘的ですよね。
また、ある香りを思い浮かべただけでも、
それが鼻孔の奥の方でほのかに蘇るような気がします。
思い出の中で薫る香りは、今と過去を隔てることなく
私たちの記憶の中で今も漂い続けているのでしょうね。

kazeさん
キンモクセイの香りが時空を超えて漂っているようです。
認知の仕組みの中で、今と過去は一つながりに繋がっていて、
しかも、遺伝子やミームやミラーニューロンに乗って
個別性をも超えて行くのでしょうね。
今この記事を読みました
今日話していた内容とリンクしていて
笑みがこぼれました
香りには素敵な力がある気がします。。
アロマテラピーなるものがあるくらいですから。。

お気に入りの紅茶の香り・・・
季節によって違う風の香り・・・
唇に塗ったジェルの甘い香りまで、香りひとつで

感情に変化が現れる自分を楽しむことがあります。。

・・昔飼っていた愛犬が亡くなったとき、愛犬の香りがする
遺品を抱きしめ 何日も何日も泣き続けた記憶があります。。
それくらい、香りに残る記憶は鮮明なんだと思います。

できることなら、素敵な恋の香りや、甘い思い出の香りを
記憶していたいものですね(笑)

comment fome

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