空の色、薄色の空。
昼と夜の狭間、世界が青一色に染まる時間(青の時間)の少し前、その空もまた良い。
束の間に現われるうっすらと赤味を含んだ白々とした薄紫色の空。
日本の伝統色で言えば、薄色(薄い紫色)くらいの色合いだろうか、
ほんの瞬間に立ちあらわ現れる、なんとも微妙で儚い色彩のグラデーション。
消え行く色彩の最後に現れる、色とすら言えない様なうっすらとした色彩。
遠い彼方から届く便りのように繊細な色は、
どこか心細いような、甘く切ないような、形容しがたい感情の想起がある。
日が暮れてしまうことが心細く切ないというだけではない何かを、そこに感じているように思う。
それは、言葉にすることの出来ない、なにか遠い感覚だ。
夕焼けの様に派手な色彩もドラマチックな印象もない、
あまりにも繊細で瞬間に立ち消えてしま為に、きっと、気づかずに通り越してしまうよう空。
その、儚さゆえに、なにか心を揺さぶるものがある。
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