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いまは、むかしむかし。

夜道

帰り道。
ふと、空を見上げると、金星が夜空に針の先くらいの穴を開けている。
なんだか、とてもドキッとした。
金星が太陽の光を受けて、宇宙空間の中にうかんでいるのではなく、
あ、これは針で開けた穴だと、ついうっかり思ってしまった。
そこに、無限の空間が広がっている事を忘れて歩いて居る間に、地上は回転を止め、太陽が地球の周りを回り始める。
昔の人が月や星を空に開いた穴だと思ったのも、実感として自然なことだったのだろうと思う。

コペルニクスの「天球の回転について」から465年、
私たちは宇宙空間の片隅に浮かぶ自分の存在を、何処まで真摯に受け止める事が出来たのだろう?
また、知識として知ることで失われてしまった想像の中に、なにか大切なものが含まれてはいなかったのだろうか?
そして、未知なるものに対する寛容さを失わずに、世界と向き合うことができているのだろうか?
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